海外ドラマ『ブレイキング・バッド』の登場人物のMBTI予想!ウォルター・ホワイトはINTJ=建築家?

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肺癌で余命宣告された高校の化学教師ウォルター・ホワイトが家族に財産を遺すためドラッグビジネスの帝王に成り上がっていく2008~2013年のヴィンス・ギリガン制作によるアメリカドラマ『ブレイキング・バッド』。この傑作サスペンスドラマのキャラクターのMBTI(16パーソナリティ診断)を根拠とともに予想していく。まだこのドラマを観ていない方は Netflix などで先に全話視聴してからお読みいただきたい。

ウォルター・ホワイト

演:ブライアン・クランストン

本作の主人公であり、アルバカーキの高校の化学教師。初登場時は50歳。11歳下の妻、脳性麻痺のある高校生の長男、産まれたばかり(シーズン1では出産前)の長女の4人家族。ドラッグビジネスにおいては「ハイゼンベルク」と名乗る。カリフォルニア工科大学出身で、かつてはグレイ・マター社を共同設立したエリート化学者だった。専門は結晶学。兄弟姉妹はいない。

予想MBTI:INTJ=建築家

INTJ=建築家

  • I=内向型:内省的であり、他人と相談することなく一人で思考し、自らの頭ですべての計画を練る。科学教師や洗車場の仕事など、普段は大人しく控えめで目立ちたがるタイプではない。
  • N=直感型:事実の細かい部分よりも全体のパターンや将来の可能性に注目する。化学の知識を発揮し、ドラッグの製造からビジネスの全体戦略を設計。今ある現実よりも理論の整合性や未来像を俯瞰的に見ている。
  • T=思考型:感情よりも論理性や合理性で判断する。ジェシーと組んだのもあくまで計画のための必要人材としてであり、目的のためには手段を選ばない。家族のためとして始めたビジネスがいつしか自らのプライドやエゴを優先するようになる。
  • J=判断型:計画的で秩序を好み、物事をコントロールしたい。複雑なビジネスを緻密に設計し、リスク管理や長期的戦略まで周到に準備している。不測の事態にも冷静に対処し、大筋の計画からは外れないように進める意志の強さを持つ。

ジェシー・ピンクマン

演:アーロン・ポール

ウォルターの相棒となる高校の元・教え子。初登場時は25歳。人間味のある憎めない人物で、優しい心の持ち主。比較的裕福な家庭に育ったが、素行不良により両親に実家を追い出され、亡くなるまで叔母の家で同居していた。10歳以上離れた弟がいる。

予想MBTI:ISFP=冒険家

ISFP=冒険家

  • I=内向型:スキニーやバッジャーら親友たちとのシーンだけ見ると社交的にも見えるが、あくまで交流するのは狭い人間関係のみ。気さくで思いやりがあるが、感情を一人で抱え込む内省的な部分があり、トラウマや罪悪感で黙り込む場面が多い。疎遠となっている家族との関係修復は諦め、アンドレアやブロックとの疑似家族的な関わりを模索した。
  • S=感覚型:自由奔放かつマイペースで、今この瞬間の痛みや快楽に溺れる。気取らず謙虚で、細かい情景を記憶している。淡々と無感情で物事を進めるウォルターとは対照的に「人としてどうあるべきか」という理想や道徳を大切にしており、シリーズ後半では「自分は誰かの役に立っているのか」「間違ったことをしていないか」といった内面の葛藤が増えていく。
  • F=感情型:計画通りかどうかよりも感情で物事を判断し、人間味に溢れた行動をとる。子供や弱者に対して愛情を持ち、身を挺してでも彼らを守ろうとする。自分はウォルターに利用されているだけだと気づいても、友情や信頼を失いたくないと苦悩する。
  • P=知覚:ルールやスケジュール管理が苦手で計画性がなく、その場の流れや衝動で行動しがち。生き方自体も一本明確な筋が通っているわけではなく、流れに身を任せている側面が多い。逆に言えば、予測不能な事態が起きても適応する能力が高い。

スカイラー・ホワイト

演:アンナ・ガン

ウォルターの妻。初登場時は39歳。感情的な要素と理性的な判断をバランスよく持ち合わせた複雑な人物。レストランでウェイトレスとして働いていた頃にウォルターと出会う。テッド・ベネキーの自動車修理工場で経理として働いていたことがある。崩壊していく家庭における母親としての難しい立場を彼女なりに対処する。

予想MBTI:ISTJ=管理者

ISTJ=管理者

  • I=内向型:感情や考えをすぐには表に出さず、思い悩むことが多い。ウォルターの嘘に気づいてからも即座に問い質す行動には出ず、まず内省してから慎重に対応していく。ウォルターの犯罪についても家庭の中で静かに状況を管理しようとする姿勢が見え、人前で主張するような行動には走らない。
  • S=感覚型:現実的かつ実務的であり責任感が強い。家計の管理、家族の安全、日常の整合性を重視する。ウォルターの行動に疑問を持ち始めた際も、まずは携帯電話の履歴や領収書など具体的な証拠に目を向け、感情よりも事実ベースで判断する。
  • T=思考型:感情的な葛藤がありつつも、最終的には論理的判断を優先し、内面は誠実であり忠実。自身がマネーロンダリングに加担することを決断したときも、感情を優先したのではなく「家族を守るための合理的選択」として動いたにすぎない。感情で泣き叫びがちな妹のマリーとは対照的に、状況を冷静に読み解き対処する。
  • J=判断型:計画的かつ整理された生活を望み、秩序の崩壊に強いストレスを感じる。ウォルターが秘密を持ち、家族や生活の秩序が崩れていくことに怒り、不安を抱いた。自分の中に「自分の正義」を持っており、それに沿って物事を処理する。そのためなら嫌われることも厭わない。

ハンク・シュレイダー

演:ディーン・ノリス

ウォルターの妻の妹の夫であり、麻薬取締局(DEA)の捜査官。初登場時は43歳。コミュニケーション力が高いため一見おちゃらけたキャラクターに見えるが、正義感がありタフで粘り強く捜査する。しかしナイーブな一面もあり、精神を蝕まれる描写も。

予想MBTI:ESTJ=幹部

ESTJ=幹部

  • E=外向型:人前でジョークを言ったり、職場でもリーダー的な存在であり、典型的な外向型人間。話すのが好きで社交性が高くエネルギッシュ。行動的で危険な状況でも強気に前に出ていく。
  • S=感覚型:事実、証拠、具体的な情報などの根拠に基づいて行動する。捜査官という職業柄もあるが、物的証拠や現場の実際の状況を重視し、推測や思い込みによる行動はしない。
  • T=思考型:論理と正義に基づいて判断し、情に流されることなく、職務のためなら義兄のウォルターにも容赦しない。感情はあるものの、それを優先して判断を曲げることはない。
  • J=判断型:計画的であり秩序を重んじる。仕事においては指揮や命令系統を担い、部下を従わせる。自身の行動に自信を持っており、物事を整理したうえで明確な結論を出す。曖昧な態度や状況を嫌い、任務やスケジュールを厳格に守る。

マリー・シュレイダー

演:ベッツィ・ブラント

ハンクの妻で、スカイラーの実妹。年齢は公開されていないが、初登場時で30代半ばぐらい。診療放射線技師として病院に勤務。強いストレスに晒されると窃盗癖が出る。虚栄心が強く多弁で、やや自己中心的かつ感情的。姉のスカイラーとも夫のハンクとも良好な関係。

予想MBTI:ESFJ=領事

ESFJ=領事

  • E=外向型:スカイラーの家に頻繁に顔を出し、感情を共有することを好む。一人で考え込むよりも他人と話して感情を処理しようとする。派手な発言や紫色への強いこだわりなど、人の注意を引くような言動が目立つ。
  • S=感覚型:ファッションやインテリアなどへのこだわりが強く、具体的かつ現実的なものに執着する。未来や理想論よりも今ある現実を重視。
  • F=感情型:判断基準は「人の気持ち」や「人間関係」がすべて。信じている人に嘘をつかれたりするのは許せないタイプ。そのため、姉のスカイラーに裏切られた際は怒り、泣き叫んで取り乱すなど感情の起伏が激しい。他人の行動についても「正しい・間違っている」の判断がはっきりしている。
  • J=判断型:明確な価値観と秩序を自分の中に持っており、それに反することに不安や怒りを覚える。スカイラーがウォルターに加担していると知った際は、実の姉であろうとも「間違っている」と断じて距離をとった。「こうあるべき」という信念を曲げたくない芯の強さがあり、整理された秩序を望む。

ウォルター・”フリン”・ホワイト・Jr.

演:RJ・ミッテ

ウォルターとスカイラー夫妻の長男。初登場時は16歳。脳性麻痺のため松葉杖で歩いており、軽度の言語障害がある。ウォルターの勤務先の高校に在学中。ジュニアと呼ばれるが本人はあまり好んでおらず、フリンと呼んでもらいたがっていたが、シリーズ中盤からはジュニアと呼ばれることに誇りを持つようになった。母親よりも父親を尊敬しており、父が肺癌と知った際は募金を募るウェブサイトを立ち上げ、離婚の危機になったときもウォルターの肩を持ち、事情を理解しようとしないスカイラーをなじった。

予想MBTI:ISFJ=擁護者

ISFJ=擁護者

  • I=内向型:大人しく控えめで、派手な行動はせず、周囲をよく観察しており思慮深い。自分の意見を押し通すことよりも相手の気持ちや状況を気にかけ、一見社交的にも見えるが基本的には「受け身」な姿勢。家族や友達に忠実で、親しい人間との関係を大切にする。
  • S=感覚型:家族や学校など身近な生活を重視し、現実主義的。抽象的な物事よりも「父は何をしているのか」「母はなぜ怒っているのか」など具体的な出来事に関心がある。父が病気であることを知った際も、家族や周囲にさまざまな問題が起きた際も、逃避せず現実を真っすぐに受け止めようとした。
  • F=感情型:判断基準は「家族愛」と「信頼・誠実さ」。ウォルターの嘘が露呈した際も、それでも愛する父を信じようとして苦悩し、立場上、父と母の間を取り持つ役割を担わざるを得なかった。家庭が壊れていく中で、実は最も犠牲となったのは彼かもしれない。
  • J=判断型:一貫した信念を持ち、「家族は一緒にいるべき」「父は正しい人であるべき」といった道徳的な枠組みが壊れたことで強いストレスを感じることとなった。最終的に最愛の父を否定する決断に至ったのは、自身の内なる揺るぎない価値観に従ったがゆえ。

ソウル・グッドマン

演:ボブ・オデンカーク

アルバカーキの弁護士。年齢は公開されていないが、ウォルターと同世代の50歳前後と推定。ジェシーの友人バッジャーの弁護を請け負ったことをきっかけとして、ウォルターのドラッグビジネスに関与していく。本名はジェームズ・”ジミー”・マッギル。登場はシーズン2の中盤からだが、みるみる人気キャラクターとなり、その後、同じくヴィンス・ギリガンによる『ブレイキング・バッド』の6年前からを描く前日譚のドラマ『ベター・コール・ソウル』の主人公となり、6シーズン続いた。

予想MBTI:ENTP=討論者

ENTP=討論者

  • E=外向型:社交的でエネルギッシュ。言葉巧みに人を操り、交渉や説得に長けている。人と関わる環境を好み、目立ちたがり屋。CMを打つなど法律事務所や自身をブランド化し、売り込んでいくスタイル。
  • N=直感型:常識にとらわれない規格外の発想ができ、ルールがあれば抜け道を見つけ出す創造的な思考を巡らせている。現実のシステムに大人しく従うようなことはせず、裏ルートを見つけることに余念がない。目先の利益には飛びつかず長期的な戦略を持ち、「ソウル・グッドマンらしさ」というものを常に追い求めている。
  • T=思考型:決断は論理的で、感情に流されず戦略的に下す。損得勘定を優先し、冷静に状況を読み解き、倫理や道徳よりも効率や合理性を優先する策略家だが、完全に非情というわけでもない。
  • P=知覚型:計画通りに進めるよりも「今ある状況」を効率的に利用して臨機応変に動く。トラブルにはアイディアと話術で巧みに切り抜け、決してパニックに陥ることはない柔軟性がある。突発的な展開への対応力が高く、スケジュールやルールよりも圧倒的に結果主義。終わりよければすべて良しのマインド。

グスタボ・”ガス”・フリング

演:ジャンカルロ・エスポジート

アメリカ南西部のドラッグ流通を牛耳るマフィアのボス。表向きはフライドチキン専門店ロス・ポジョス・エルマノスやクリーニング工場などを経営している。年齢は50代と推定。シーズン2後半から登場する。チリ系アメリカ人、独身。リムレスのメガネを愛用し、衣服の乱れなどに敏感な潔癖さがある。絶対にミスをしないタイプの極めて慎重な性格で、表社会では礼儀正しく愛想よく接するが、裏社会では無慈悲で冷酷に振る舞う。

予想MBTI:INTJ=建築家

INTJ=建築家

  • I=内向型:常に冷静沈着で、感情や意図を表に出さない。計画は他人と共同で練ることはなく、自分の頭の中ですべて構想し、思考を共有せず内面で処理する。表の顔と裏の顔をはっきりと分ける自己制御力を持ち、他者に表情や企みを読ませない。
  • N=直感型:時間をかけて巨大な麻薬帝国を築くという壮大なビジョンのために長期的な戦略を持っており、「いま上手く行けばとりあえずOK」という思考には絶対に陥らず、将来の秩序と支配を見据えて動いている。部下の選別や敵対勢力への対応についても何手も先を読んでおり、計画の全体像を構造的な視野で見ているため、即物的に血迷った判断をしてしまうことはまずない。
  • T=思考型:感情に流されず、論理と効率性に従う。秩序の維持と計画の遂行のためには敵に対して一切の容赦はない。部下に対しても私情を挟まず、合理的に役割を配置する。
  • J=判断型:細部まで綿密にコントロールを行き渡らせており、非常に計画的な人物。フロント企業としてのフライドチキン専門店、クリーニング店の地下ラボ、警察との接触の方法などすべて計算し尽くされており、事前にすべての準備を整えておくことを好む。感情的な混乱や突発的な行動とは無縁で、不確実性を排除することに余念がない完璧主義者。

ウォルターとガスは何が違うか

本作の主人公のウォルターと、いわゆる最大の敵役となるガスは同じ INTJ=建築家 と予想されるが、どういった部分に違いがあるのかを検討する。

まずは INTJ=建築家 の基本的な特徴をまとめる。

  • 一人での思考を好む戦略家
  • 長期計画を立てて物事を動かす
  • 論理的で冷静であり、理屈に合わない行動を嫌う
  • 他人との距離感を保ち、感情的なつながりは弱い

動機

  • ウォルター:プライドと自己実現のため
  • ガス:復讐と秩序維持のため

カリスマ性

  • ウォルター:ときに衝動的な情熱も見せる
  • ガス:終始冷静であり理性的

統率スタイル

  • ウォルター:操作的、自己中心的
  • ガス:静かな支配、何よりも秩序を重視

ウォルター・ホワイトは「個人の欲望」に突き動かされるタイプであり、ガス・フリングは「構造と支配」を追求する秩序主義者という違いが見受けられる。