長谷川町子による4コマ漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメ。アニメは1969年10月5日からフジテレビ系列日曜18時30分からの枠で放送され続けている国民的長寿番組であり、世界で最も長く放映されているテレビアニメとしてギネス世界記録を保持している。磯野家とその近隣を舞台にした日常を描くシットコム的ファミリー向けホームアニメであり、核家族化が進んだ今となっては珍しい家庭環境が描かれるため、家族構成などを例える際にもよく用いられる。
サザエさん原作(4コマ漫画)長谷川町子/作
出版社
姉妹社→朝日新聞社
掲載紙
夕刊フクニチ→新夕刊→朝日新聞
連載期間
1946年4月22日〜1974年2月21日
巻数、話数
全68巻、6477話
おもな登場人物
磯野家/フグ田家
フグ田サザエ(CV:加藤みどり)
磯野家の長女であり、本作の主人公。年齢は未年生まれの24歳。原作では1922年(大正11年)11月22日生まれの23歳。血液型はB型。福岡県の博多で育ち、マスオと見合結婚。波平の転勤に伴い一家で東京都世田谷区へ移住した。快活でそそっかしく気性の荒い性格。現在は子供が幼いこともあり専業主婦だが、高校卒業後はハロー社という出版社の記者として働いていた。推理小説を読むのが趣味。
フグ田マスオ(CV:田中秀幸←増岡弘←近石真介)
フグ田家の次男であり、サザエの夫。年齢は28歳(原作では32歳)。血液型はB型。大阪市住吉区出身。二浪後に早稲田大学商学部に入学し卒業(原作では私立大学となっており大学名は不明)。東証一部上場の総合商社である海山商事(原作では社名は不明)に入社し、営業課の係長に昇進している(原作では32歳で平社員から係長へ昇進)。学生時代は野球部に所属(ただし補欠)。お人好しで気が弱い性格。婿養子ではないが妻の実家に同居している。
磯野波平(CV:茶風林←永井一郎)
サザエの父であり、年齢は54歳。原作では1895年(明治28年)9月14日生まれのおとめ座だが、アニメ版では1月10日生まれだったり2月生まれだったり定まっていない。旧制中学卒。妻のフネとは結婚してから28年連れ添っている。東証一部上場の総合商社である山川商事の事務職のサラリーマンであり、役職は言及されていないがおそらく平社員(原作でも社名不明の企業の局長であったが後期には平社員に降格)。盆栽、釣り、囲碁、書画、俳句、骨董など多趣味だが、ほとんどが下手の横好き。
磯野フネ(CV:寺内よりえ←麻生美代子)
波平の妻であり、サザエの母。年齢については明言されていないが、波平よりも若くアニメ版では52歳前後、原作では波平の6歳下の48歳前後と推測される。旧姓は石田であり、静岡県沼津市に実家がある。磯野舟あるいは舟子と表記されたこともあり、カタカナのフネが戸籍上の名前なのかは不明。下戸でありお酒はまったく呑めない。アニメでは良妻賢母といった雰囲気だが、原作ではサザエよりも気性が荒くヒステリック。
磯野カツオ(CV:冨永みーな←高橋和枝←大山のぶ代)
サザエの13歳下の弟であり、磯野家の長男。アニメ版では10月3日生まれの11歳でかもめ第三小学校の5年3組に在籍。原作では1938年(昭和13年)生まれの16歳違いなので7歳前後。血液型はB型。原作の初期はカツヲと表記された。丸刈りがトレードマークであり、いたずらが好きなわんぱくな性格。しょっちゅう親友の中島たちに声をかけて野球やサッカーをしている。面食いで本来はかおりちゃんや早川さんや浮江さんのような美人が好みだが、同級生の花沢花子に猛烈なアタックを受け続け、25年後の世界では花沢と結婚している。
磯野ワカメ(CV:津村まこと←野村道子←山本嘉子)
サザエの15歳下の妹であり、磯野家の次女。アニメ版では9歳でかもめ第三小学校の3年2組に在籍。原作ではサザエと18歳違いの5歳の幼稚園児として登場後、7歳の小学1年生まで成長。血液型はA型。おかっぱ風の髪型であり、パンツが見えるほどのミニスカートが彼女の象徴となっている。アニメ版では心優しく真面目な性格、原作では天真爛漫で活溌な性格。アニメ版では優等生だが原作では勉強があまり得意ではない。モデルは長谷川町子の姪っ子。
フグ田タラオ(CV:貴家堂子)
サザエとマスオの長男であり、アニメでは3歳。原作では1947年もしくは1948年10月頃の生まれ。愛称はタラちゃん。おとなしく物分かりのいい良い子だが、あまりにも純粋なためカツオのデタラメな話ですら真に受けて信じてしまう。語尾に「〜ですぅ」という独特の喋り方が特徴。赤い三輪車を愛用。はとこのイクラちゃんと仲がよく、3歳にしてすでにリカちゃんという年上のガールフレンドがいる。箸を持つ際は左利き。
タマ(CV:不明)
磯野家のペットとして飼われている白いオス猫。首に大きめの鈴がついた赤いリボンを巻いている。お隣の伊佐坂家のペットとして飼われている犬のハチとは種族の違い超えて仲がよく、ピンク色のペルシャ猫のガールフレンドがいる。
波野家
波野ノリスケ(CV:松本保典←荒川太朗←村越伊知郎)
波平の甥であり妹なぎえの三男で、サザエたちの従兄弟にあたる。年齢は24〜26歳。タイ子と見合結婚し、長男のイクラをもうける。出版社に勤務する編集者(原作では新聞記者)であり、磯野家の隣に住む小説家の伊佐坂難物を担当している。
波野タイ子(CV:小林さやか←塚田恵美子←恵比寿まさ子←落合美穂)
ノリスケの妻でありイクラの母。東京生まれで年齢は22歳前後。旧姓は入江で妹がいる。以前はデパートに勤務していたが現在は専業主婦。バレエ、洋裁、生け花、ピアノ、外国語、スキーなど多趣味。育ちがいい優しく落ち着いた上品な淑女だが、イクラがわがままを言ったりいたずらをした際にはきちんと叱る。
波野イクラ(CV:桂玲子)
ノリスケとタイ子の長男。年齢は1歳半ぐらい。タラオと同様にアニメでは歩くと特殊な音が鳴る。好奇心旺盛で暴走するほどいろいろなものに興味をもつが、熱しやすく冷めやすい性格。「ハーイ(挨拶や肯定の表現)」「チャーン(呼びかけ)」「バブー(不機嫌や否定の表現)」の3つのワードしか喋れない。
伊佐坂家
伊佐坂難物(CV:中村浩太郎←岩田安生←伊井篤史←峰恵研←はせさん治)
磯野家の隣の家に住む恋愛小説家。年齢は波平よりも上で60歳前後。基本的に遅筆で締め切りを守らないためノリスケがたびたび原稿を受け取りに自宅まで赴く。難物という名前から気難しい人物だと思われがちだが普段は温厚な性格で、波平と囲碁を打つこともある。もともとは歌舞伎の女形を目指して修行をしていたが、のちに作家に転向。文才はあるようで、小説家としてはそこそこ有名らしい。行きつけの喫茶店では自分の座る席にこだわりがあり、その席に誰かが座っているとへそを曲げる。
伊佐坂お軽(CV:山田礼子)
難物の妻で、フネとは女学校時代からの親友の同い年でお互いを「おフネちゃん」「おカルさん」と呼び合う。水泳が得意で女学校時代のあだ名は「カッパ」だった。難物とは学生結婚している。
伊佐坂甚六(CV:竹村拓)
難物とお軽の長男で浪人生。二浪中で20歳前後。三浪後、大学に合格する。呑気でおっちょこちょいだが人懐っこく明るい性格。カツオたちの面倒見もいい。運転免許を持っており、洗車したりドライブに出かける場面も描かれている。
伊佐坂浮江(CV:川崎恵理子←冨永みーな←潘恵子←落合美穂)
難物とお軽の長女で甚六の妹。高校1年生の16歳。容姿端麗で優しい性格であり、ワカメはお姉さんとして慕っており、カツオや三郎ら男子の憧れの存在。成績優秀、スポーツ万能でテニス部に所属。将棋も得意としている。原作では浮え、アニメ版ではうきえやウキエと表記される場合もある。
かもめ第三小学校 5年3組
中島弘(CV:落合るみ←白川澄子)
カツオの親友。喧嘩することもあるがすぐに仲直りする。極度の近視でメガネを外すと怖くて歩けない。大学浪人中の兄がいる。ノリスケの妻のタイ子に好意を持っており会うと照れながら「中島です」と挨拶する。カツオと同様にかおりちゃんや浮江さんにも好意を持っている。
花沢花子(CV:伊倉一恵←山本圭子←秋元千賀子)
容姿はお世辞にも美人とは言えないダミ声が特徴的なカツオの同級生女子。実家は花沢不動産を営んでおり、たまに家業を手伝うため土地の面積の計算は早い。細かいことは気にしない豪快な性格だが、料理や裁縫が得意な家庭的な一面も見せる。カツオと結婚することを夢見ており執拗にカツオにアタックし続けている。
大空かおり(CV:桂玲子←野村道子)
富裕層の娘で、カツオと中島が想いを寄せる美少女。後頭部に大きなリボンをつけている。現在は大空となっている苗字は過去には定まっておらず「南」や「山田」だった回もある。カツオのアプローチに対して「パパを説得して」と返すなど、相思相愛を匂わすエピソードもある。
早川さん(CV:川崎恵理子←冨永みーな←潘恵子←桂玲子)
面長で団子鼻のショートカット女子。カツオはかおりちゃんの次に好意を寄せている。カツオ曰く「顔が可愛いのがかおりちゃんで性格がいいのが早川さん」。日曜には教会の礼拝に通い、パリ在住の叔母がいる。カエル好きでカツオからもらったカエルを一茶と名づけて飼ったことがある。黒沢という野球選手が好きらしい。下の名前は明らかになっていない。
橋本とおる(CV:山田玲子)
カツオの仲のいい友達の一人。面長で横に広がった鼻が特徴。塾に通っており、妹がいる。アニメ版オリジナルのキャラクター。
西原卓磨(CV:小林さやか←塚田恵美子←三輪勝恵)
カツオの仲のいい友達の一人。メガネをかけており、クラスで一番頭がいい。家は裕福でパソコンを使いこなす。野球は苦手。両親共にメガネをかけており、父親はカツラをかぶっている。下の名前はススムやマコトだった回もある。アニメ版オリジナルのキャラクター。
かもめ第三小学校 3年2組
堀川くん(CV:小林さやか←塚田恵美子←白川澄子)
ワカメのクラスメイトの穏やかな性格の男子。一人っ子。下の名前はショウタとなっていた回があるが公式には設定されていない。ワカメに想いを寄せているようで、性格は優しいが意外と腹黒い一面も見せる。将来の夢は漫才師らしい。アニメ版オリジナルのキャラクター。
海山商事
穴子(CV:若本規夫←立壁和也)
マスオが務める海山商事の同僚社員であり親友、悪友。厚い唇が特徴。27歳だが老け顔。下の名前は不明。マスオは「穴子くん」と呼ぶ。既婚者であり、妻は群馬県出身のタカコ。一度だけ子供3人をプールに連れていくエピソードが描かれたことがあるが、現在では子供はいない設定となっている。アニメ版オリジナルのキャラクターだが、原作にモデルが存在する。
三河屋
三郎(CV:二又一成)
三河屋酒店の配達員としてたびたび磯野家を原付三輪で訪問する御用聞き従業員。年齢は19歳で青森県出身。愛称はサブちゃん。サザエを「若奥さん」と呼ぶ。人が好く町内の情報にも精通し信頼されており、磯野家とは家族ぐるみのような関係を築いている。伊佐坂先生の高1の娘の浮江に好意を持っている。アニメ版オリジナルのキャラクター。